【カバーの快楽】
Blondie – Hanging on the Telephone
Blondie – Hanging on the Telephone
songwriter : Jack Lee
ブロンディの大ブレイクとなった3rdアルバム『恋の平行線(Parallel Lines)』のオープニングを飾る曲。シングルとしても全英5位のヒットとなった。
ブロンディの人気は本国アメリカよりも、先にイギリスで火が点いた。
当時のイギリスのパンク/ニュー・ウェイヴのムーヴメントにハマったのだろう。
ブロンディの本質は、パンクの精神で解釈した極彩色のポップスで、ジャンルと時代の壁を打ち壊していくものだった。パンクにこだわらず、誰よりも早くニュー・ウェイヴへの道を切り拓いたバンドだったとも言える。
「ハンギング・オン・ザ・テレフォン」は、1974年にデビューしたもののまったく売れず、このシングル1枚を発表しただけで解散したL.A.のパワー・ポップ・バンド、ザ・ナーヴスのカバーだ。
原曲も一聴して良い曲とわかるが、なにしろ華がないし、カッコ良さが足りない。
ブロンディはこれにデボラ・ハリーという泣く子も黙る華を与え、有能なバンドがクールでインパクトのあるサウンドに仕上げた。
プロンディはこういう誰も知らないようなマイナーな良曲を見つけてきて、自分たちのスタイルでカッコ良く仕上げて見せるのが実に上手かった。
バンドの実力っていうのはそういうところでわかるな。