R.E.M.【名曲ベストテン】R.E.M. Greatest 10 Songs

米ジョージア州で結成されたR.E.M.は、1981年にデビューした。

80年代のバンドにしては、ポスト・パンク風でもニューウェイヴ風でもなく、ノイジーなアンダーグラウンド・ロックでもない。

まるで60年代のバーズやボブ・ディランのような、アメリカン・ロックの原点に立ち還ったような、奇を衒ったり流行に迎合することなく、シンプルで飾らない、誠実さが伝わってくるような音楽だった。フロントマンのマイケル・スタイプは、「自分たちが表現したいのは、パッションとロマンスだ」と話している。

わたしは90年代の轟音オルタナティヴ・ロックにも聴き飽きた頃からR.E.M.を好んで聴くことが多くなり、今でも聴き続けている。

彼らの音楽は非日常的なテンションやエネルギーの音楽ではなく、日々の生活にもよく合う音楽だ。
料理を作ったり、掃除をしたり、ドライヴをしたり、昼寝をしながら聴くのにもいい。眠れない夜や、過去の出来事に思いを馳せるときに聴くのにぴったりな曲もたくさんある。ちょうど昔のカントリーやブルースがそうだったように。

以下は、わたしが愛するR.E.M.の至極の名曲ベストテンです。

第10位 レディオ・フリー・ヨーロッパ(1981)
Radio Free Europe

Murmur (Reis) (Ogv) [12 inch Analog]

R.E.M.のデビュー・シングル。全米78位。
デビュー・シングルながら、ニューヨーク・タイムス紙の「1981年の10枚のシングル」に選ばれるなど、高い評価を得た。

動画は、みんな若いし、溌剌としていてカッコいい。
ヴォーカルのマイケル・スタイプの髪の毛も、たっぷりある。

「レディオ・フリー・ヨーロッパ」の過去記事はこちら

第9位 ロックヴィル(1984)
(Don’t Go Back To) Rockville

Reckoning (Reis) (Ogv) [12 inch Analog]

2ndアルバム『夢の肖像(Reckoning)』に収録された、まるでC.C.R.のようなカントリー・ロック風の曲。

彼らの音楽的ルーツの一端が垣間見える。オリジナルではマイケル・スタイプがヴォーカルを取ったが、その後のライヴでは下の動画のようにベースのマイク・ミルズが歌うことになったようだ。

「ロックヴィル」の過去記事はこちら

第8位 ワン・アイ・ラヴ(1987)
The One I love

Document [12 inch Analog]

傑作アルバム『ドキュメント(Document)』からのシングルで、全米9位と、インディーズ時代最大のヒットとなった。マイケル・スタイプの言う「パッションとロマンス」に満ちた、R.E.M.らしい曲と言える。

これで勢いがつき、ワーナーへメジャー移籍したことも話題になった。

「ワン・アイ・ラヴ」の過去記事はこちら

第7位 世界の終わる日(1987)
It’s the End of the World as We Know It (And I Feel Fine)

Document [12 inch Analog]

『ドキュメント(Document)』からのシングルで、全米69位と大ヒットにはつながらなかったものの、インディーズ時代では最も人気の高い曲のひとつ。

レニー・ブルース、レナード・バーンスタイン、レオニード・ブレジネフなど頭文字が「LB」の有名人の名前がたくさん出てくるけど、まあ意味はよくわからない。
「ご存知、これが世界の終わり。良い気分だ」と歌う、マシンガンのようなキレのいいヴォーカルが素晴らしい。

第6位 ドライヴ(1992)
Drive

AUTOMATIC FOR THE PEOPLE [LP] (25TH ANNIVERSARY, 180 GRAM) [12 inch Analog]

R.E.M.の最高傑作『オートマチック・フォー・ザ・ピープル(Automatic for the People)』のオープニングを飾る曲。全米28位。

アルバムのオープニング曲でありながら、とにかく暗い。
絶好調のときのブルース・スプリングスティーンぐらい暗い。
でもこの暗さにシビれる。

「ドライヴ」の過去記事はこちら

第5位 ナイトスウィミング(1992)
Nightswimming

AUTOMATIC FOR THE PEOPLE [LP] (25TH ANNIVERSARY, 180 GRAM) [12 inch Analog]

『オートマチック・フォー・ザ・ピープル』収録曲。

ピアノの響きとストリングスが美しい、Nightswimmingというファンタジックなイメージと共に、どこか謎めいた魅力を持つ曲だ。

ストリングスのアレンジは元レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズが担当した。

第4位 エレクトロライト(1996)
Electrolite

New Adventures in Hi Fi

96年のアルバム『ニュー・アドベンチャーズ・イン・ハイ・ファイ(New Adventures in Hi-Fi)』からのシングル。20世紀への別れを歌った歌なのだそうだ。

肩の力の抜けたリズムと、ピアノとストリングスを基調にしたアレンジが美しい。
いろんなことを考えてしまって眠れない夜に聴きたくなる。心が安らぐ曲だ。

第3位 マン・オン・ザ・ムーン(1992)
Man on the Moon

AUTOMATIC FOR THE PEOPLE [LP] (25TH ANNIVERSARY, 180 GRAM) [12 inch Analog]

『オートマチック・フォー・ザ・ピープル』からのシングルで、全米30位のヒットとなった、彼らの代表曲のひとつ。

歌詞では、アンディ・カウフマンという実在の破天荒な芸人について言及し、彼の生涯を描いた99年のアメリカ映画のタイトルと主題歌にもなった。

斬新でも刺激的でもないけれど、10万回聴いても飽きないタイプの曲だ。

「マン・オン・ザ・ムーン」の過去記事はこちら

第2位 エヴリバディ・ハーツ(1992)
Everybody Hurts

AUTOMATIC FOR THE PEOPLE [LP] (25TH ANNIVERSARY, 180 GRAM) [12 inch Analog]

『オートマチック・フォー・ザ・ピープル』収録曲。全米29位のヒットとなった、R.E.M.の代表曲だ。マイケル・スタイプが若者の自殺に心を痛めて書いたと言う。

「自暴自棄にならないで。誰もが悩み、涙を流し、傷ついてる。友達に慰めてもらうといいよ。君は独りじゃない。あきらめちゃいけない」と歌われる、美しく感動的な名曲だ。

「エヴリバディ・ハーツ」の過去記事はこちら

第1位 ルージング・マイ・レリジョン(1991)
Losing My Religion

OUT OF TIME [12 inch Analog]

名盤『アウト・オブ・タイム(Out of Time)』からのシングルで、全米4位と、彼らの最大のヒット曲となり、代表曲として知られている。

R.E.M.の良いところが全部出たような、アコースティックの響きが美しく、どこか懐かしいのに新鮮という、時代を超える名曲だ。

「ルージング・マイ・レリジョン」の過去記事はこちら

入門用のR.E.M.のCDなら、メジャー時代のベスト『イン・タイム:ザ・ベスト・オブ・R.E.M.1988-2003』、インディーズ時代のベスト『エポニマス』の2枚がお薦め。
なんなら、この2枚だけでも一生楽しめると思う。

以上、R.E.M.【名曲ベストテン】 R.E.M. Greatest 10 Songsでした。

(by goro)

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