旭日小綬章を授与された英国生まれ豪州育ちのマルチな才女【日本が愛した洋楽ヒット #15】オリビア・ニュートン・ジョン/ カントリー・ロード (1973)

Olivia Newton-John - Take Me Home Country Roads | Releases | Discogs

オリヴィア・ニュートン・ジョン/カントリー・ロード (1973)
Olivia Newton-John – Take Me Home, Country Roads

初期の頃はカントリー風の曲をよく歌っていた印象があるのでアメリカ人と勘違いされやすいが、オリヴィア・ニュートン・ジョンは、イギリス生まれのオーストラリア育ちである。

この曲は1971年にジョン・デンバーが歌って全米2位の大ヒットとなった名曲のカバーだ。
73年にオリヴィアによるカバーもシングル・カットされ、全英15位となったものの、米国では119位と不発に終わった。

しかし発売から3年後の1976年、TBSの朝の情報番組『おはよう700』でテーマ曲に使われると広く浸透し、日本でもシングル・カットされると、オリコン洋楽シングルチャート15週連続1位という大ヒットとなった。

以来、この曲は日本で最もよく知られた洋楽ヒットソングのひとつとなり、1995年にはスタジオジブリの『耳をすませば』の主題歌として日本語詞でカバーされると、老若男女に小中学生まで浸透する国民的愛唱歌となった。

オリヴィアはその後もヒット曲を連発した。カントリー・ポップスからAOR、ディスコ・ミュージックなどを幅広く歌い、女優としても成功するなどマルチな才能を発揮し、日本でも長く愛された。たぶんだけれども、日本人は彼女のルックスも好きだったのだ。ちなみにわたしがいちばん好きなのは75年に全米1位となった代表曲「そよ風の誘惑(Have You Never Been Mellow)」である。

来日公演も度々行い、24時間テレビに出演して都庁で歌ったり、自身が患った経験から乳がん撲滅キャンペーンのために来日したこともあった。

2021年秋には、日本政府は彼女に「日本国の音楽文化の発展及び友好親善に寄与した功」により旭日小綬章を授与した。

しかし翌2022年8月8日に、数年に渡った癌との闘病生活の末、死去。享年73歳。故郷のオーストラリアで、国葬が行われた。

(Goro)