ニューヨーク・ドールズ/人格の危機(1973)

NEW YORK DOLLS [12 inch Analog]

【グラム・ロックの快楽】
New York Dolls – Personality Crisis

トッド・ラングレンのプロデュースによるニューヨーク・ドールズの名盤1st『ニューヨーク・ドールズ』のオープニングを飾る、彼らのデビュー・シングル。バンドの中心人物の2人、デヴィッド・ヨハンセン(vo)とジョニー・サンダース(g)によって書かれた曲だ。

これ以上はないというぐらいシンプルなロックンロールながら、ジョニーのギターを中心としたアグレッシヴなサウンドは、当時は個性的だったにちがいない。
派手な衣装やメイクでの激しいライヴは、デヴィッド・ボウイやルー・リードも絶賛したという。そして数年後に巻き起こる、イギリスのパンク・ロック・ムーヴメントにも多大な影響を与えた。

ただし、デヴィッド・ヨハンセンにはミック・ジャガーの、ジョニー・サンダースにはキース・リチャーズの、それぞれ影響も見受けられる。ローリング・ストーンズに憧れつつ、当時イギリスで流行しつつあったグラム・ロックのスタイルも取り入れたのがニューヨーク・ドールズだったのではないか。
NYとロンドンの最先端のカルチャーが、互いに刺激し合い、影響を受け合っていた時代の話だ。

先日、13日にギターのシルヴェイン・シルヴェインが癌のため69歳で死去した。
これでニューヨーク・ドールズのオリジナル・メンバーで生き残っているのは、ヴォーカルのデヴィッド・ヨハンセンただ1人となった。
ヨハンセンはシルヴェインとの出会いに想いを馳せながら、追悼の意を表明している。

長年の親友だった。初めて会った時のことを今でも覚えている。
リハーサル・スペースだった自転車屋にアムステルダムから強制送還された飛行機からそのままカーペットバッグとギターを持って入ってきたんだ。すぐに大好きになったよ。

昔の仲間である君を惜しむことになるだろうね。こっちは留守番でもしておくよ。

みんな、どんどんいなくなっていくなあ。。