最後です。
1アーティスト1枚で100枚のロッククラシックの名盤を選ぶというテーマのこのブログは、2008年の2月11日に始めて、4年と2か月でついに完結することになりました。
やったあ。
終わったあ。
イエーイ!
ずっと読み続けてくださった読者のみなさん、ほんとうにありがとうございました。
プロの物書きでもないうえに、一銭にもならない駄文を書き続けることの唯一のモチベーションは、ただただ読んでくれる人がいるという、そのことにつきます。
とにかく最後まで、No.100まで書いて完結できたことが嬉しいです。達成感を感じます。
それと、このブログは基本的にわたしが良いと思うものについて、それがいかに良いかを書くだけのブログなので、悪口を書かないですむのが本当に良かったと思います。
ボキャブラリーが貧困なため、手持ちの「ほめ言葉」なんてすぐに使い切ってしまうわけで、それでも毎回毎回頭をひねってどうにかしぼり出すことで、「ほめ言葉」のボキャブラリーが多少なりとも増えたり、ほめ方のパターンが増えていったような気がして、すごく良い修行になったと思っています。
またそのうち新しいブログを書こうとは思っていますが、いつからかは未定です。
はじめるときにはこのブログを更新してお知らせしたいと思います。
最後はずっと前から決めていましたが、まさにロックンロールのイメージを決定づけ、歴史の扉を開いた、ロック史における最大のヒーローでありシンボルである、エルヴィス・プレスリーです。
ロックミュージックは黒人のブルースと白人のカントリーの融合から生まれました。
エルヴィスがいなくてもこの音楽は間違いなく生まれていましたが、しかし彼がシンボルであったからこそロックンロールは、いつの時代にも若者の胸を熱くする、華やかなエンテインメントと底なしの闇の両面をあわせ持った、真にリアリティのある音楽として育ったのだと思います。
やはり真に「キング・オブ・ロックンロール」の称号がふさわしいのは、エルヴィスなのです。
すべては彼がリーゼントをきめて、ステージで腰をふり脚をガクガクさせて女性ファンの胸をときめかせ股間を熱くさせたことから始まったのです。
彼がいなければ、ロックンロールのスタイルと影響力はまた違ったものになっていたと思います。
ロックンロールがもっと違うものになっていたら、この世界もまた違うものになっていたと思います。
たぶんだけど、もっと堅苦しくて、もっと冗談が通じなくて、もっと個性に乏しくて、もっと女の子が地味で、もっと自分の気持ちを押し殺して生きていかなければならないような、退屈な世界になっていたのではないかと思います。
ここで選んだアルバムは、わたしが初めて買ったエルヴィスのCDで、わたしはこれでエルヴィスの代表曲を知りました。
パンクにハマったきっかけから、ロックンロールの歴史そのものに目を向け、歴史に名を残すアーティストを片っ端から聴きまくった時期でした。
たまたまわたしにとっての思い入れのあるアルバムを挙げましたが、要はエルヴィスのベスト盤ならなんでもいいと思います。
同じようなベスト盤がいろいろあって迷ったら、ジャケがいちばんカッコいいものを買うのが、後悔しないCDの買いかたのコツです(とりあえず中身が好きになるまで、ジャケが良ければ聴き続ける気になれるからです)。
このアルバムのジャケはすごくカッコよくてわたしは好きです。
わたしにとってのエルヴィスの最大の魅力はその声です。
初期の「ハートブレイクホテル」や「アイ・ウォント・ユー、アイ・ニード・ユー、アイ・ラブ・ユー」などで聴かせる、低い大人びたセクシーな声に急に高い少年のような焦燥感のある声が混じる歌い方に、なにか未完成な青春期の若者の魅力をリアルに感じます。
また、ファーストアルバムである『エルヴィス・プレスリー登場!』のその異様な始まりかた、その異常なほど焦燥感に満ちて、喰い気味に歌い出すあの「ブルースウェードシューズ」の衝撃、あの一瞬に魂をゆさぶられるようなリアリティを感じました。
この「リアリティ」というものが同世代の若者たちに伝わったことから、どんな音楽とも違う思い入れや情熱がロックンロールという音楽ジャンルに対して向けられることになったのだとわたしは思います。
わたしはエルヴィスをリアルタイムで聴いていたわけではないし、ストーンズやピストルズにはもっと熱く熱中したので、わたしより上の世代の方たちほどのたっぷりの思い入れがあるというわけではありません。
でもほんとうに、この世にエルヴィス・プレスリーという人が生まれ、彼がギターと出会い、歌を歌う職業を選んだという運命が、小説や映画の中のお話ではなく、この世に現実に起こった奇跡であることに、どれだけ感謝しても、バンザイしても、し足りないと思っています。
もしも彼を選んだロックの神様がいたなら、わたしはその慧眼に、親指を立てて「Good Job!」と最大級の敬意と感謝の意を表したいぐらいです。
わたしはロックンロールが存在する、この時代のこの星に生まれてほんとうによかった。
そしてわたしは若いころから、たとえつらいことがあったとしても、音楽さえあればあまり苦痛を感じることなく日々の生活を送ることができた、じつに単純な人間でした。
そのような単純な人間に生まれて、ほんとうによかったと思います。
Elvis Presley’s Fabulous 10 Songs
1. Blue Suede Shoes (1955)
2. That’s All Right (1955)
3. Can’t Help Falling In Love (1961)
4. Mystery Train (1955)
5. I Want You, I Need You, I Love You (1956)
6. Heartbreak Hotel (1956)
7. Don’t Be Cruel (1956)
8. You Don’t Have To Say You Love Me (1970)
9. Suspicious Minds (1969)
10. Jailhouse Rock (1957)
コメント
製本・・
3巻って手もアルじゃん?(^-^)!
ありがとうございます。
まーこさんも結構だれもコメント書いてくれないときになかなか熱いコメントを書いてくれたりしてありがたかったですね。
製本ねぇ。
いったい何ページぐらいになるんでしょうねぇ。
Rock a Go Go!
あぁ・・完結しちゃったケド・・書いちゃうゾ!!!(笑)
☆おめでとぅ~☆
やり切りましたねぇ♪
ゴローさんのブログを読んでて、”ロック”って一言で言ってもとっても幅広ぃジャンルの音楽なんだなぁ~って事を実感させられました。
自分で「ロックが好き」なんて思ってても、その中でごく限られたものしか興味を抱けなかったのがちょっとだけ寂しくも感じたのが、この百選を読んでて実感した事でした。
ゴローさんのブログを読んで、ロックというものが本当に楽しく感じ、より引き込まれていった人も少なくなぃのではなぃかと思います。
これだけの力作揃ぃの内容なのだから・・
【製本しましょう!!!】(^-^)!
ありがとうございます
考えてみればたった100回のブログを書くのに4年以上もかかってるなんて、ペースが遅すぎるだろうと思うのだけれど、それでも根気よく読み続けてくれたみなさんにはほんとうに感謝です。
コメントもちょいちょいいただいて、盛り上げてもらいましたが、そういうのがなかったらさびしいブログになっていたと思います。とても書き続ける気にならなかったでしょう。
headfuckさんはそもそもそんなに知ってる間柄でもなかったのに、しばしば「長げーよ!!」とツッコミを入れながらもちゃんと読んでくれてたのは、素直に嬉しく思います。
フェイクアニ、あなたにはコメントでフォローしてもらったり、盛り上げてもらったり、はげまされたり、いろんな意味で手伝ってもらった感じです。相方の役割をしっかり演じてくれました。感謝しています。
r-blues氏は最初からずっとワシントンクラブで読み続けてもらっていますので、そういう絵しか思い浮かびません。
まさにあなたの言うとおり、ロックなんていうマンガみたいなものが、人生も塗り替えるほど人の心を揺さぶり、世界を変えてきたことを、奇跡と驚異のように思います。
ブログ内ではしばしば自虐的な書き方もしてきましたが、マンガみたいなものに夢中になって青春を捧げたマヌケなロック好きのみなさんに共感していただき、いっしょにROCKファン万歳!と言っていただければそれこそ本望です。
ありがとうございました。
打ち上げ
100回達成を祝して、打ち上げの宴会(オフ会ってやつ?笑)やろ~ぜ!
I Ain’t Nothing But The Hound Dog
最後のNo.100も、幸福なことに朝のワシントンクラブで読ませて戴きました。
プレスリーですよね。
ずっと見てれば、最後は何がくるんだろ?…なんて考える余地もない筈なのに、王道で来るだろうとも思ってたのに、予測できませんでした。f(^_^;
もはやROCKファン落第の私ですが、このまま留年させてもらいます…。
ここ数年は、”A Little Less Conversation”がTVでよく使われてますね。
かっちょいいです。
ロックってば、マンガの世界なんだけど、現実に世界を動かしてもきた。
ROCKファン万歳!!
祝 完結
お疲れ様っす。
続けることって凄い尊いことだね。
少し淋しいけど、楽しかったです!
Unknown
No.100 おめでとーございます&お疲れさまでしたm(_ _)m
すべて楽しく読ませて頂きました。
ゴローさんらしくて カッコよかったです☆