【ニッポンの名曲】#52
作詞・作曲・編曲:奥田民生
作詞・作曲・編曲:奥田民生
20代のあいだ、いつのまにか「J-POP」というクソダサい名前で呼ばれて、耳障りなキンキン声と変な英語で踊り狂う日本のポピュラー・ソングに完全に興味を失っていたわたしの耳が「おおっ」と反応した曲だった。
映画『イージー・ライダー』を想起させるタイトル通り、70年代のアメリカン・ロックのようなシンプル極まりない気持ちのいい曲がストレートに耳に残った。
「イージュー」とは「30」を意味する業界用語の「E10」のことなんだそうだ。
リリース時には31歳になっていたが、奥田民生が30歳の年に書いた曲で、きっと30歳という年齢に達してあらためて青春時代の意義について想いを巡らせたのかもしれない。
わたしは奥田民生よりひとつだけ年下で、この曲がヒットしたとき、わたしは30歳だった。
「なんだか思っていたようなことはひとつもうまく行かずに青春が終わっちゃったなあ~」とわたしは思っていた。
わたしは10年間勤めていた映画館を辞めて、またまた社会から脱輪してすってんころり、ころころと、緩やかな下り坂を転がり始めていた。
でも、この曲を聴いて、「あれ? まだ青春終わってなくね?」という気分にもなった。
知る人ぞ知る、結構なやさぐれゴローの時代だったけれど、この曲を聴くとちょっとホッとした。
薄ら馬鹿でもなにか深く突き刺さるものはあったのだろう、よくカラオケで歌ったものである。
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