椎名林檎/歌舞伎町の女王(1998)

歌舞伎町の女王

【ニッポンの名曲】#56
作詞・作曲:椎名林檎 編曲:亀田誠治

椎名林檎の2ndシングルとして1998年に発表された曲だ。

当時はなかなかの衝撃だった

当時20歳の椎名林檎の、パンクっぽい巻き舌の入った歌声と、昭和の歌謡曲や和のテイストも感じる楽曲は、ノスタルジックであると同時に、当時の、プロデューサーに抱かれ系のダンス歌謡全盛J-POPの中では強烈な異彩を放っていた。

チャラい系の学校にスケ番が転校してきたような騒ぎだった。
あのスケ番、親子代々歌舞伎町を仕切ってて、しかもよく見ると超美人で、偏差値もめちゃ高いらしいぞ、みたいな噂が校内を駆け巡っていた。

わたしは椎名林檎ではこの曲がいちばん好きだ。
このPVも大好きだ。もう何十回見ただろう。路地裏の神社と、子供っぽいのに妙に艶っぽくもある彼女が絶妙にマッチして、カッコいい。

歌詞の世界はもちろん完全なフィクションだ。倉科遼によるネオン街漫画『女帝』みたいな世界観が面白い。

椎名林檎は憧れの存在として、宇崎竜童・阿木耀子のソングライターチームを挙げている。
たしかにこの「歌舞伎町の女王」にもそんな影響は感じられる。