ザ・ローリング・ストーンズ/ウインター(1973)

山羊の頭のスープ

ザ・ローリング・ストーンズ
【100グレイテスト・ソングス】#63
The Rolling Stones – Winter

有名曲ではないけれど、「ストーンズが真面目に書いた名バラード」を10曲選んだら、確実に入ってきそうな曲だ。

木枯らしが吹き、粉雪が舞う荒野を、両腕で身体を抱えて震えながら、白い息を吐いて歩く情景が浮かぶような曲だ。クリスマスを題材にしているので、にぎやかな冬の街でもいいのだけれど、もっと過酷な深みを感じる曲だ。寒いうえに、目標も見失って、人との温もりも失ってしまって、虚無的になって。

キースとミック・テイラーのギターだけだとやさぐれ感ばかりが強くなりすぎるところへ、イアン・スチュワートのリリカルで美しいピアノに救われる。この曲のキモは、このピアノだとわたしは密かに思っている。

「おまえをコートで包みたい」とか「おまえのためにクリスマス・キャンドルを灯してやりたい」とかの歌詞もあり、もしかすると甲斐バンドの「安奈」はこれを参考にしたのかな? と思ったりもする。まあ、曲調は全然ちがうので、無関係なのかもしれないけれど、甲斐さんはストーンズはしっかり聴いてそうだから。

冬の寒い日に外を歩いているとつい「えでぃしょー、びなっ、こー、こー、うぃなー」などと口づさんでしまう。
安易だけど、歌ってそういうためのもんだ。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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