ザ・バーズ/ヒッコリー・ウインド(1968)

ロデオの恋人

【カントリー・ロックの快楽】
The Byrds – Hickory Wind

カントリー・ロックの開祖、インターナショナル・サブマリン・バンドのグラム・パーソンズは、『セーフ・アット・ホーム』を発表したその3か月後には、ザ・バーズに加入する。

ちょうどバーズが内部分裂してメンバーが相次いで脱退し、ヴォーカル&ギターのロジャー・マッギンとベースのクリス・ヒルマンの2人だけになってしまった時期だった。

そこにドラマーのケヴィン・ケリーと、グラム・パーソンズが加入する。


新体制となったバーズは、前作までのサイケデリック的なフォーク・ロックの路線から一転し、グラム・パーソンズ主導で、カントリー・ロック・アルバム『ロデオの恋人』を制作する。

インターナショナル・サブマリン・バンドのアルバムはあまり注目を浴びなかったが、当時米国で最も人気のあるロックグループのひとつであったザ・バーズのアルバムは、さすがに注目を浴びた。
反体制的なロックと、保守的なカントリーの融合には賛否両論があったようだが、現在では史上初のカントリー・ロックの名盤と高く評価されている。


この「ヒッコリー・ウインド」はその『ロデオの恋人』に収録された曲で、グラム・パーソンズが書き、彼自身がリード・ヴォーカルを取っている。

グラム・パーソンズのヴォーカルについては様々な意見もあると思うが、ぜひ優しい気持ちで、これもひとつの「味」だと思って聴いてあげて欲しい。


この歌はいろいろな樹木のことを歌っている。木のことを歌ったロックナンバーなんてなかなかないので、素敵だと思う。

静かな林や、田舎の並木道を歩きながら聴いてみたい、美しいカントリー・ワルツのバラードだ。せつないような、懐かしいような、樹木の葉をやさしく揺らす、爽やかな風のような名曲だ。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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