イエロー・マジック・オーケストラ/東風(1978)

 イエロー・マジック (東風)
【ニッポンの名曲】その4
作曲:坂本龍一
もう何度かこのブログに書いたこともあるけど、わたしが生まれて初めて買ったレコードはYMOのLP『パブリック・プレッシャー/公的抑圧』だった。

しかも、たまたま初回限定盤で、白い透明のレコードだった。

でも、初めて憧れの「レコード」を買ったのだから、そこは黒であってほしかったのだけど。


『パブリック・プレッシャー/公的抑圧』はYMOのライヴ盤である。

2ndアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』がオリコンチャート1位になり、「テクノポリス」「ライディーン」がCMに使われるなど、急速にYMO人気が盛り上がっていた頃で、レコード会社が急遽、ベスト盤的な内容の海外公演のライヴを発売したのだった。

このあたりのスピード感と商売の上手さには恐れ入るが、中学生だったわたしもまんまとそれに乗ってYMOにハマってしまった。


この「東風」(トンプーと読む)は1stアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』の収録曲で、『パブリック・プレッシャー』にもライヴ・バージョンが収録されていた。

「東風」というタイトルは「中国女」と同じく、ジャン=リュック・ゴダール監督の映画の邦題からのパクリである。
曲自体は特に映画の内容とは関係ない。
当時メンバーがよく行っていた中華料理店が「東風」という名前だったこともあったらしい。


日本ではYMOの代表曲というと「ライディーン」「テクノポリス」あたりが有名だが、この「東風」は、YMOが先に海外で火が点くきっかけとなった人気曲で、イギリスではシングルでも発売されている。

「ライディーン」か「テクノポリス」を選んでも良かったのだけど、動画がこれが一番カッコ良かったので、この曲を選んだ。

細野晴臣のベースがカッコいいけど、何気に矢野顕子の存在感がライヴでは映える。
所属レコード会社の関係で『パブリック・プレッシャー』では全カットされた渡辺香津美のギターがこの動画ではたっぷり聴けて、またずいぶん印象が違ってくる。


初めて買ったレコードがYMOなので、テクノが好きになりそうなものだが、わたしはその後、他のテクノを聴くということはなかった。

今でも全編打ち込みみたいなテクノやクラブミュージックは聴いていられない。

YMOは日本におけるテクノの開祖だけれども、こうしてみるとドラムもベースもエレキギターもいるし、アナログシンセを使うちょっとクセが強いロックバンドみたいなものだ。


YMOのアルバムは当時出ていたものはすべて聴いたし、ずいぶん長いあいだハマっていたように思っていたが、今から考えると聴いていたのはたぶん一年ぐらいだった。

少年の頃というのは、1年なんて、気が遠くなるぐらいの長さに感じたものだ。

いったいなにがどうなってしまったのだろう、年を取ると1年なんて、哀しくなるぐらいあっという間に終わってしまう。


中学生のわたしがその次に好きになったのは、ラジオから流れてきた、衝撃的な声を持つニッポンのロックバンドだった。

つづく。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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